社員に自社株贈与は、報酬の一環、人材確保狙う
新興企業の間で、創業社長が報酬の一環として保有する自社株を社員に無償で譲渡する動きが相次いでいる。
株価や業績に対する社員の意識を高めながら、社員に報い、優秀な人材をつなぎとめる狙い。
昨年の法改正でストックオプション(株式購入権)の評価額を費用計上する必要が生じ、負担の重い新興企業がストックオプションを利用しにくくなったことが背景にある。
10月に大証ヘラクレスに上場した半導体製造装置販売の会社は、創業者で筆頭株主の社長が保有する同社株式の一部を社員に無償で譲渡する。
社歴10年末満の在籍する社員が対象。
上場前に株式を取得した人には1株、しなかった人には2株を付与し、不公平感をなくす。
譲渡総数は33株で、社長が保育する株式の1%弱。
株価は318,000円で、譲渡総額は1,419万円となる。
ある半導体開発会社も、創案者の社長が保有株のうち、1%強にあたる株を社員に贈与した。
創業者の株式を贈与する方式の報酬制度は、現金でボーナスを渡すのと違い、企業には費用負担がなく、資金の社外流出もない。
市場に流通する株式を増やし、売買しゃすくできる利点もある。
上場まもない企業では、上場前に安く自社株を取得した社員とその後に入社した社員で資産格差がつきやづ<、不公平感の解消に役立つ。
ただ、保有株を減らすことになる創業者にとっては、株価の上昇につながらないと持ち出しが大きくなる。
制度の継続性も課題の一つだ。
| ストックオプションー儲けのレシピ |
日本でストックオプションの導入が認められたのは1997年。
調査によると、2006年6月までにストックオプションを導入した上場企業数は1574社に上る。
中でも新興企業が役員や社員への報酬手段として採用する例が多い。
権利の行使時には一株利益が希薄化するものの、ひとまず資金が外部流出せず人件費が膨らまないストックオプションは有効だった。
ところが06年5月の会社法施行で状況は一変する。
07年3月期決算からストックオプションの評価額を販管費に計上することが義務付けられ、利益の圧迫要因となったからだ。





